尼崎城(歴史博物館)と廃城令

大阪周辺めぐり

尼崎市は大阪に隣接していて略して「アマ」。

かつては「ガラの悪い町」のイメージがありましたが、
阪神タイガース2軍球場(ゼロカーボンベースボールパーク)も大物にできました。
周辺も次々と整備されて、きれいな街並みに変わってきていますが、元々 尼崎城の城下町で阪神尼崎駅の南側は「寺町」「南・北城内」等の地名や旧跡が残り、中国街道の宿場でもありました。

●阪神大震災で被災後、街道の面影を残し現代風に建築された街並み

●大東亜戦争でアメリカ軍の空襲を受け銃跡が残る壁(開明町2丁目)

●尼崎の寺町風景

尼崎市立歴史博物館 入場無料

昭和13年(1938年)に尼崎城本丸跡に建てられた尼崎市立高等女学校を改修したもので、映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」のロケ地にもなりました。
尼崎の歴史を「古代から現代」に分けて展示・動画説明してあり、詳細な資料室等、ボリュームもあり色々と勉強になります。
また、阪神電鉄の歴史も学べます。
近くの再建された尼崎城と併せて見学してください。

●「ド根性節」昭和40年の尼崎を反映した歌唱です。

●阪神電鉄の歴史も年代を追ってパネル展示されています。

●戸田氏の甲冑。
尼崎城は元和3年(1617)、徳川譜代大名戸田氏鉄に尼崎城を築城させ、大坂夏の陣後に大坂の西の守りとしました。

●左門殿川
神崎川の支流、初代城主戸田氏鉄が川を改修し、洪水禍から領民を救ったことに感謝して名づけられたとの事。
※長い間、左門殿=真田幸村(信繁)ゆかりの川と勘違いしていました。

●かつて尼崎は大きなダンスホールが4か所もあったハイカラな街

●丁度、3時間ほどで町ブラ終了。
お昼は、いつもの「さつま屋」さんで、生ビール+モダン焼き。
余計な具(ネギやもやし)が入っていない、昔ながらのソースマヨ+一味(お好みで)これが美味い!奄美大島出身の店主が焼いてくれます。

 

廃城令(はいじょうれい)

「廃城令(はいじょうれい)」は、明治時代初期の日本政府が出した政策で、江戸時代まで存在していた多くの城を廃止・破却することを目的としたものです。正式な法令名ではありませんが、1873年(明治6年)に出された太政官布告に基づく一連の政策を指して「廃城令」と呼ぶのが一般的です。

背景として、明治維新によって江戸幕府が倒れ、新政府が中央集権的な国家を作ろうとした際、各藩の象徴であった「城」は旧体制の象徴とされ、軍事的にも不要と見なされました。

「主に薩長の明治維新、文化遺産を壊すという意味では、
イスラム過激派と余り変わらんなぁ~」

大阪府・兵庫県の明治期の廃城

大阪府の廃城
城名所在地備考・廃城後の状況
大阪城大阪市中央区明治元年(1868年)に一旦廃城。天守等は江戸期に既に焼失。明治以降は陸軍用地に転用され、天守は昭和6年(1931年)に復興。
岸和田城岸和田市廃城令により天守など建築物が破却。天守は昭和29年(1954年)に鉄筋コンクリートで再建
高槻城高槻市廃城令により廃城。建物は撤去され、後に学校や公園として使用される。
富田林城(中野城)富田林市小規模な陣屋的構え。廃城令で廃止。遺構ほぼなし。
狭山城大阪狭山市江戸期に陣屋として存続。明治期に破却。石垣や堀の一部が残る。

・大阪城は特例で、破却されず軍事拠点に転用されました。これにより完全な破壊は免れました。
・他の多くの大阪府内の城は、江戸初期以前に廃城されており、廃城令時点で既に存在していません。

兵庫県の廃城
城名所在地廃城後の状況
尼崎城尼崎市廃城令で完全破却。石垣も消滅。2019年に模擬天守を再建。
明石城明石市天守未完成のまま廃城。櫓・石垣は現存し重要文化財。
赤穂城赤穂市廃城・破却。石垣・堀が残り、大手門などが近年復元。
龍野城たつの市廃城後破却。昭和に一部再建(御殿風建物)。
出石城豊岡市廃城・破却。石垣と稲荷社、門が復元整備。観光地。
洲本城(淡路)洲本市廃城後破却。石垣は残存。模擬天守は昭和期に建築。
三木城三木市廃城・破却。石垣と空堀が現存。城跡公園として整備。
篠山城(丹波篠山城)丹波篠山市廃城後に大書院など破却。近年復元。石垣・堀は良好に残存。
有馬城(有馬温泉)神戸市北区廃城・破却。城跡は公園と温泉街の一部に。
竹田城朝来市山城。廃城令後に保存対象外で破却なし。石垣が現存し「天空の城」として有名に。

●廃城後の処遇パターン

完全破却・遺構消滅:尼崎城、有馬城など
石垣・堀のみ残存:赤穂城、出石城、三木城など
重要文化財として保存:明石城の櫓(巽櫓・坤櫓)など
模擬天守再建・復元整備:尼崎城、洲本城、篠山城など

●廃城後の利用例
多くの城跡が 学校・公園・軍用地 に転用された。
昭和以降、模擬天守や櫓の再建が進む。
築城遺構(石垣・堀・曲輪)は保存され、文化財指定を受けているものも多数。

現存天守12城一覧
城名所在地天守建造年(推定)特徴・備考
弘前城青森県弘前市1810年現存天守の中では最も新しい。天守は三層。
松本城長野県松本市1594年頃黒漆塗りの外観で「烏城」とも呼ばれる。国宝。
犬山城愛知県犬山市1537年日本最古の現存天守。かつては個人所有。国宝。
彦根城滋賀県彦根市1606年美しい三重天守。国宝。ひこにゃんの城。
姫路城兵庫県姫路市1609年白漆喰の外観。「白鷺城」。世界遺産・国宝。
松江城島根県松江市1611年別名「千鳥城」。黒い天守が特徴。国宝。
備中松山城岡山県高梁市1683年頃日本一高所(標高430m)にある現存天守。
丸岡城福井県坂井市1576年現存最古説あり。屋根に石瓦を使用。地震で倒壊後、元材で再建。
松山城愛媛県松山市1602年広大な城郭を持つ平山城。複数の櫓も現存。
宇和島城愛媛県宇和島市1666年小規模ながら優美な天守。
高知城高知県高知市1749年本丸御殿と天守が一体の形で現存。
丸亀城香川県丸亀市1660年頃小型天守。高い石垣が有名。

🏆 国宝指定の現存天守(4城)

  • 姫路城
  • 松本城
  • 彦根城
  • 犬山城

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